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スキー技術【2】

ターン中の骨盤の動き

 骨盤の向きについては、前傾は一定を保つように心がけると上体が安定し、股関節の可動域を確保できます。
左右の向きはスキーの向きに正対を基本として、フォールラインに絡むようにします。
つまりターン前半は少し内向し、後半は少し外向します(後述)。
ターン中は外腰が遅れやすくなるので、外骨盤を前に出して内骨盤を引く動きが大切になります。

 左右の動きについては、骨盤をターン内側にスライドさせると外傾が、外側にスライドさせると内傾がでます。ターン中は適度な外傾を保つのが自然でしょう。やり過ぎは軸から腰が外れてしまうので最適な位置を探ってください。
内重心のターン始動では内向内傾(逆アングル)が出やすくなり、外重心のターン始動では外向傾が強くなりやすいので注意が必要です。

 左右の傾きは、スキーの表面に平行を保つ滑りと、斜面に対して平行を保つ滑りの二通りの選択が有ります。木村公宣氏は、骨盤の高さは「ターン前半はスキーの面と平行でも構わないが、ターン後半は斜面と平行に合わせていくべきだ」と言っています。
また、「股関節の向きを前半は内スキートップに合わせ、後半は外スキートップに合わせる、若干の内向、外向が良いだろう」とも言っています。

骨盤の動き

 では実際の骨盤の動きとはどのようなものでしょうか?
 実は(骨盤は多方向へ動く)と書きましたが、実際に動いているのは股関節と脊柱です。つまり体幹や股関節周りの筋肉によって、骨盤の位置や向きが動きます。

 まず最初に大切になるのが「骨盤の前傾」です。直立したときに少し骨盤が前傾している姿勢が自然な状態とされ、筋力の低下や悪い姿勢が「骨盤の後傾」を引き起こします。
 骨盤が後傾していると腰椎に余計な負担がかかり、股関節の位置が少し前へ出て少し上を向いてしまい、本来の可動域が取れず力も発揮されなくなります。肩関節の場合と同様に、股関節の位置や向きを正しくセットすることが大変重要で、それには骨盤の前傾が必要になるのです。

 スキーで基本姿勢を考える時も、股関節と肩関節の位置と向きに注意して、理想的な位置を探っていくようにしましょう。

骨盤について

骨盤は中に主要な臓器を保持しており、上に体幹をのせ支持していて、下部で股関節を形成しています。

 スポーツにおいては、「姿勢の維持」と「股関節の運動」をコントロールしている最も重要な部分と言えます。

 一般にスポーツで高いパフォーマンスを発揮するには、股関節の能力が一番重要だと言われています(力強さ、柔軟性、素早さ、持久力など)。スキーでも股関節の可動域を広げ、周囲の筋肉を鍛えることが重要なのは言うまでもありません。

 ただし、スキーの場合は他のスポーツとは全く違う点が有り、すべての運動を自らの筋力で生み出すのではなく、「重力」と言う加速度を利用して動いています。
そのため、初歩の段階では「重力を止める制動の動き」が中心になり、上達するにつれて「制動をコントロール」し、「加速を積極的に利用する」ようになっていきます。
 この「制動と加速」をコントロールするのは重心移動です。重心位置をスキーよりも前(斜面下)にすれば加速して、重心位置をスキーより後ろ(斜面上)にすれば減速できます。
 骨盤は、その位置を前後左右上下に動かすことができ、それによって重心位置を動かすことができます。

 つまり、骨盤は「その動きによって重心位置を動かし、スキーの加速と制動をコントロールしている」スキー運動の中心的な役割を担っていると言えます。

体幹、上肢体、骨盤について

 体幹は文字通り身体の中核をなす部分です。上に頭をのせ、上肢体を介して腕を動かし、骨盤を介して足を動かしています。
 体幹の筋力は重心の安定や軸の安定に重要な事から、体幹トレーニングが注目されるようになり、多くの出版物が出ています。そういったものを参考にしてください、ここでは省略します。

 上肢体は、肩甲骨、鎖骨とその周辺組織の総称で、肩関節を形成しています。
他のスポーツ(球技、水泳、投てき、など)では重要視されていますが、スキーではこれまであまり注目されませんでした。
 しかし、肩に力が入っただけで全身の動きが悪くなるように、上肢体の動きは全身運動に影響を及ぼしているようです。
 中でも肩甲骨は、体幹に直接固定されていないので多方向に大きく動き、下肢に比べ脳からの距離がとても近いために、「肩甲骨や腕の動きが全身運動のきっかけとして重要だ」 とする考え方が有ります。
 ところが現代人には肩こりの人が多く、本来の肩甲骨の動きが制限されています。まずは肩甲骨周辺の柔軟性を取り戻し、肩関節を適正な位置に保つことが大切になります。
 スキーの基本姿勢や滑走中の姿勢においても、肩関節の位置が重要なのは明らかです。

 スキーのターン運動に関連する動きとしては、片方の肩甲骨を後ろへ引き反対の肩甲骨を前へ出す動きや、下肢の回旋に腕の回旋を同調させる動きなど、先行動作や補助動作、またはバランスを取る動きになってくると思います。
 文章では解り辛いのですが、例えば(切り替えで内腕を外旋させたり、内肩を後下方へ引く動作を加えるとターン始動が楽に行える、)といったような事です。

 滑走中に肩甲骨を意識して動かして、その効果を試してみてください。

 ストックワークについても、肩甲骨から腕を動かしていった結果がストックを突く動作になるように、動作の起点が上肢体からというような意識を持つと、よりスムースなストックワークになってくると思います。


 

体幹主導?

 「スキーは足元から」という言葉が有ります。
 
 トリノオリンピックで四位に入賞した皆川賢太郎選手によると、「最初に理想的なスキーの軌道が有って、その為には足首をこう動かす、膝をこうしていくと腰はこうなり上体は・・・・と言うように、滑りを足元から組み立てていく」ようにしているそうです。

 これとは逆に、上体や体幹の動きを骨盤を介して、股関節から足先へ伝えていく滑りの組み立てが有ります。
末端から体幹へ、と体幹から末端へ、という対極の考えがあるのです。

 これはカービングスキーになってから、足首や膝が回旋、角付けの主役でなくなり、動作の支点が股関節や骨盤上部へと上がってきた事が関係しているでしょう。
 重心位置によってターン運動に違いが出てくる事も、体幹部と骨盤の動きが股関節から足先へと伝わっていることを現わしています。

 さらに、「脳に近く動かしやすい上肢の動きをきっかけにして運動が始まる」という、上肢から体幹を経て下肢へ、という考えもあります。

 そこで、体幹や体幹と上肢、下肢をつなぐ上肢体骨盤についても考えてみましょう。
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