骨盤は中に主要な臓器を保持しており、上に体幹をのせ支持していて、下部で股関節を形成しています。

 スポーツにおいては、「姿勢の維持」と「股関節の運動」をコントロールしている最も重要な部分と言えます。

 一般にスポーツで高いパフォーマンスを発揮するには、股関節の能力が一番重要だと言われています(力強さ、柔軟性、素早さ、持久力など)。スキーでも股関節の可動域を広げ、周囲の筋肉を鍛えることが重要なのは言うまでもありません。

 ただし、スキーの場合は他のスポーツとは全く違う点が有り、すべての運動を自らの筋力で生み出すのではなく、「重力」と言う加速度を利用して動いています。
そのため、初歩の段階では「重力を止める制動の動き」が中心になり、上達するにつれて「制動をコントロール」し、「加速を積極的に利用する」ようになっていきます。
 この「制動と加速」をコントロールするのは重心移動です。重心位置をスキーよりも前(斜面下)にすれば加速して、重心位置をスキーより後ろ(斜面上)にすれば減速できます。
 骨盤は、その位置を前後左右上下に動かすことができ、それによって重心位置を動かすことができます。

 つまり、骨盤は「その動きによって重心位置を動かし、スキーの加速と制動をコントロールしている」スキー運動の中心的な役割を担っていると言えます。